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ウィッカン・マッチ

Last-modified: 2017-05-03 (水) 05:54:57 (777d)
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ウィッカン・マッチは電書魔術を用いて行うスポーツ競技の一種。
魔術で戦闘する格闘技系競技ではなく、音楽に合わせて電書魔術を発動させ、15ヤード四方のエリア内で演技を行い芸術性を競う、採点競技である。

概要

基本的には男子と女子で競技内容の区別はないが、男子は力強さや迫力のある演技が多い傾向で、女子はしなやかさや華やかさなどの演技となることが多いという特徴がある。
(中には、エタミナ・ファムフォスのように女子ながら豪快な炎と爆発を得意とする選手や、アヴィカ・シュレイマのように男子だが柔らかな表現と「kawaii」をテーマとした演技を見せる選手もいる)
MANAの一般化が進み、競技の発祥(後述/他の競技の発祥も含む)から短期間で『国際電書魔術競技連盟(International e-PUG Magick games Association:略称IMA)』として各種競技を統括する組織が設立された。
男子と女子同時に個人競技の選手権が開催され、翌年には国際競技会、さらにその翌年には団体競技のルールも整備され、開催されている。

競技種目

個人演技
  • シングル
    1人で演技を行う。
    演技時間は3分で、±10秒の幅が認められている。
団体演技
団体種目はいずれも、男女混成が認められている。
  • アキューム(accumulate)
    5人1チームとして1人ずつ演技を行い、合計点を競う。
    演技時間は1人当たり2分(±10秒の幅が認められている)
  • ペア
    2人で演技を行う
    演技時間は2分30秒(±10秒の幅が認められている)
  • シンクロ
    複数人で演技を行う
    演技時間は最も長い4分(±10秒の幅が認められている)

競技エリア

1辺15ヤード四方のスペース。
正確には「1辺15ヤードの立方体空間*1」であり、上空にもエリア制限が設けられている。
この競技エリアに沿って1フィートの「電書魔術無効空間」があり*2、競技エリアを超えて審査エリアや観客エリアなどに魔術が影響する危険は抑えられている。

競技中のMANA

競技エリア内のMANAは一定量が定められており、持ち込み等で増やすことは不正行為であり、失格となる。
1セットの演技ごとに、競技エリア内にMANAが補充される。
つまり、演技中は補充されないため、一定量のMANAをどう使うかも選手の重要な戦術といえる。
また、団体種目のアキュームは5人の演技を1セットとして扱い、5人の演技中1度だけMANA補充ができる。補充のタイミングは選手交代する時、どの順番に挿入してもよく、それもチームの戦術によるものとなり、ある意味見どころである。

選手の所持するライセンス(後述)に差があることが想定される学生選手権などでは、術あたりのMANA使用量上限が指定されるケースもある(大抵の場合は下位ライセンスの使用可能量に合わせられ、上位ライセンス者が上限を超えて使用すると減点される)。

競技の演出要素

衣装
演技を阻害しない程度での華やかな衣装が多いが、古典的な「魔女」を演出するため雰囲気重視の衣装を採用することもある。
原則としては「スポーツとしての品位を保っていること」と定められ、過度な露出は禁止されているが、性別による衣装制限はない。
化粧
女子選手はもちろん、演出や見栄えのために男子選手がメイクすることもある。
音楽
音楽を使用することが前提となっている。
歌詞の入った曲の使用も可能だが、銃声や悲鳴などの激しい音の入ったものは禁止されている。

採点方法

「技術点」「構成点」「表現点」の3要素に「減点」を加味して採点される。

技術点
発動した魔術を技術審判がスロー映像で確認し、実行した魔術の難度を判定する。
現在のところJ難度まで想定されているが、実際に『J難度級』の魔術を実行した例はない。
(各難度をゲーム的な「レベル」と置き換え『WM電魔Lv5(=E難度魔術)』と表現するネットスラングも存在している)
構成点
演技審判が、発動した魔術の各要素を以下の項目で判定する。
  • 要素のつなぎ
  • 動作/身のこなし
  • 振付け
表現点
演技審判が、魔術のできばえを-3~+3のGoE(Grade of Execution)で判定する。
減点
技術審判が、演技全体から以下の項目に該当した要素があった場合に減点を行う。
  • オーバータイム
  • オーバーエリア(競技者/術)
  • MANA不足による発動不発/中断
  • (演出ではない)転倒
  • 端末の落下や破損

ライセンスとSIM

ウィッカン・マッチには専用のライセンスとMANA-SIMが設定されている。
ライセンスを取得するには電書魔術局の定める要件を満たした上で、定期的に開催される資格試験に合格する必要がある。
以下は日本国内でのライセンス区分だが、世界的にもおおむね似た区分構成となっている。

ジュニアライセンス
満15歳までのジュニアクラス競技者が取得できる。
簡単な試験で取得できるが術ごとに使用できるMANA量の制限も大きく、広範囲の表現を実行するには工夫を要する。
国内競技、国際競技ともに出場できる。
15歳の誕生日前日で失効する。
国内B級ライセンス
15歳以上の年齢で学生選手権以外の公式競技に参加するには、最低限このライセンスが必要となる。
資格試験を受けるために必要な要件はないが、実技・筆記の試験がある。
術ごとのMANA使用可能量はジュニアクラスの1.5倍程度。
国内競技にのみ出場でき、3年毎の更新が必要である。
国内A級ライセンス
B級と同じく国内競技にのみ出場できる。
「30回以上の公式競技出場」が資格取得要件として定められており、実技試験がある。また、ジュニアライセンスかB級ライセンス保持者は試験の点数が加算される。
資格は2年毎の更新が必要となる。
術ごとのMANA使用可能量はジュニアクラスの2倍ほど。
国際ライセンス
国際/国内ともにあらゆる競技への出場が可能となるライセンスで、術ごとのMANA使用可能量も最も多い(ジュニアクラスの2.2倍程度)。
ライセンス試験は難しく、また「50回以上の公式競技出場」という条件が定められているが、ジュニア時代に国際試合に出場している者や国内競技の成績によっては条件緩和される。
資格は2年毎の更新を要する。
指導員ライセンス
競技に関する演技や術行使などの技術を教えることのできる資格。
(ノーライセンスでも指導はできる)
指導員ライセンスを持つ指導者のいるチーム(学校の部活動や、学校外のクラブ)は、競技者自身がライセンスを取得していなくても公式競技(国内/国際どちらも)に出場できるため、部活動の顧問教師が指導員ライセンスを取得して学生選手権に出場する、というケースが多い。
術ごとのMANAの使用可能量は国内A級ライセンス程度。また、指導員ライセンスのMANA-SIMはグループ設定している「生徒」メンバーのSIMをコントロールできる。
なお、ライセンス所持していない「生徒」メンバーの術ごとのMANA使用可能量は国内B級と同じ(メンバーが15歳未満の場合はジュニアライセンスに合わせられる)。
3年毎の更新試験があり、指導員ライセンスでの競技出場は不可とされている。
コーチ(上級指導員)ライセンス
指導員よりさらに高度な指導を行う者が取得するライセンス。
術ごとのMANA使用可能量は国際ライセンスと同等だが、この資格では競技に出場できない。
指導員ライセンスと同様に、コーチライセンス保持者のチームは選手がノーライセンスでも競技出場可能となっており、またメンバーのSIMをコントロールできる権限を有する。
コーチライセンス下のライセンス不所持メンバーが使用できる術ごとのMANAは、国内A級と同量。
更新は2年毎と定められている。
審判員ライセンス
競技審判となるためのライセンス。
取得は難しく、競技者としての経験と知識、それにも増して公平性が求められる。
資格に技術審判と演技審判の区別はなく、原則としてどちらも務めなければならない。
更新は3年毎で、更新試験も形式的なものではなく新たなレギュレーションや新技に関する知識に欠けると合格できないこともありうる。
審判員ライセンスのMANA-SIMは特殊な仕様で、これ本体のMANAの使用可能量はジュニアクラス程度という制限されたものだが、任命された競技において演技者が使用したMANA量を計測し可視化できる。
また、審判員権限で演技者のSIMに強制介入し、演技者のMANA使用を差し止めることができる。
上級審判員ライセンス
審判員の裁定の審査と審判員の監督、それに採点結果の決裁権限を有する、審判長となる者が保有しなければならない資格。
2年毎の更新が必要である。
MANAに関することや介入権などは審判員ライセンスと同様で、上級審判員にはそれに加えて審判員のSIM管理者権限が付与される。
公式試合において、最低1名はこの上級審判員を置くよう定められている。

競技用電子魔術書

ウィッカン・マッチでの演技において、使用できる電子魔術書は連盟(IMA)管理のもと定められている。
以下に、主な系統分類と代表的なものを紹介する。

元素系魔術
いわゆる「四大元素」や「五大元素」として認識される「元素」それぞれを単純に発生させる魔術書。
術式自体は単純なものだが、多重に組み合わせて発動させたり、強度や範囲を変えて実行することで、多種多様な表現を生み出すことが可能であり、競技における基礎的な技術とされている。
投影系魔術
映像を映し出す魔術書。
くっきりとした映像も、半ばぼやけさせた表現も術者の技術次第で可能であり、いくつもの映像を多層的に組み合わせたり見せ方の工夫を活かせられる、として元素系より重宝・多様する競技者もいる。
術個々のMANA消費量は最も少なく、元素系魔術の背景に用いたり小型の造形物を投影でカバーしたりと、用途は多岐にわたるが、術単体で得点を稼ぐにはそれなりの見せ方や演出、あるいは大きさが必要である。
次の造形系もそうだが、術者のセンスが大きく影響する術でもある。
造形系魔術
MANAで実体を造り出す魔術書。
投影系と違い実体があるため、存在感や重量感のある表現がしやすく、そういう演出意図の演技には用いられることが多いが、最もMANAの消費量が多い。
そのため魔術難度は高めに設定されており、高得点を狙ってプログラムに組み込まれるケースは少なくない。

端末

競技に使う端末は「5インチ以上のタッチエリアがあるもの」と定められている。
タブレット端末だけでなく、投影型やヘッドマウント(いわゆる「電脳メガネ」)型の使用も認められているが、ヘッドマウントを使用することは稀である。
装着場所に制限はなく、腕(手首)や腰に着ける選手が多いが、好みや演出、衣装の都合によって変えるケースもある(極端な例では、津雲虎也のプログラムで『雷神を模した衣装で、太鼓状の端末を円形に配置して背負う』というものもある)。
使用する端末は競技エントリーの時点で届出を行い、演技直前と直後に検査される。
また、不正防止のために競技前日に使用端末は全て運営が預かり、競技終了まですべての通信が遮断される。

発祥

イングランド・ウォリックシャー州のとある電書魔術使いが、自ら演技している動画*3をアップしたことがきっかけで広まった、と云われている。
その電書魔術使い(『animusAc』と名乗っていたかれは自らを『アレイスター・クロウリーの魂を継ぐもの』と自称し、本名は知られていない)をフォローし、同じように演技する動画がじょじょに増え、新しい国際スポーツ競技としてウォリックシャー州議員クレイシア・スティセックが提唱し、それを土台にレギュレーション等が制定されることとなった。
新体操の一部門として組み込むという動きもあったものの、「電書魔術の使用有無」をより明確にするため、独立した競技として設立されることとなっている。
そのため、従来の体操競技やフィギュアスケートでの電書魔術使用は禁止されている。

競技名の由来

古英語で「魔術師」を意味するwiccaから「魔術の競い合い」として「Wiccan Match」という競技名が発案され、これに決定した。
ほかの候補としては「電書魔術体操(e-book magick gymnastics)」や「電子魔術書で競う表現(represents match by ePUG)」といったものもあったが、体操競技との区別、語感のシンプルさやロゴ(「W」と「M」を組み合わせた図案)のデザイン性からこの名称になった。*4

なお、ネオペイガニズムの一種である魔女術(ウィッチクラフト)のなかでも多数派とされた一派「ウィッカ(wicca)」を信仰、実践する人々のことを「ウィッカン(wiccan)」と云う(あるいは、ウィッチクラフトの別称として用いる)が、宗教的な意味合いや関連はない、としている。


*1 『ウィッカン・ガールズ!』第2話より
*2 『ウィッカン・ガールズ!』第3話より
*3 『gymnasticslike represents by e-book Magick』:『電書魔術で体操っぽいことをやってみた』と訳されていた1本の動画。現在は削除されている
*4 「新たな競技名称を考える国際会議」議事録256ページ